前回は~安易に他者から評価を求める人の問題について~を説明しました。
今回は~安易に自分で自己評価の上げる問題について~を説明いたします。
~安易に自分で自己評価の上げる問題について~
「そのままでは、生きていてはいけない」という観念をもった状態で、平静に生きられる人間など存在しません。
そのため、酷い劣等感をもっている人は生きている心地がしないため、自己評価を上げよう、上げようと一生懸命になります。なんとか自分が『生きてて良い存在』という実感を手にいれたいのです。
しかし現在は、なにをしても自己評価が上がらない苦しみに耐えかねて、諦めの状態になり「快楽の追求」に陥ってしまう人が多いのです。
でも、諦める必要は決してありません。人はどんな状況でも困難を克服できる力をもっているからです。
★自分に価値がないままでは、努力は一生報われない★
安易に自己評価を上げる努力の問題点は、すべての行動の前の意識が『そのままでは価値がない』から始まっていることです。
ほとんどの人は、自分がどれほど深刻な劣等感を抱えているのかを理解していません。人は心の傷やトラウマを無意識にさけるからです。とても悲しい記憶をわざわざ引っぱり出し、見つめて、解決しようとする人は滅多にいません。
自分では酷い劣等感を患っていると認識できていないまま、努力をし続けている人のほうが圧倒的に多いのです。 そして、『そのままでは価値がない』という観念がある以上、努力が正しく報われることはあり得ません。
それは、自分の意識が『そのままでは価値がない』という前提で、変化を強要しているからです。『そのままでは価値がない』と無意識で思っている限り、すべての努力が「安易」になってしまうのです
自分に価値がないから、一生懸命勉強して良い大学を卒業した。
自分に価値がないから、一生懸命仕事をして成功した。
自分に価値がないから、一生懸命稼いで億万長者になった。
どんなに努力して良い大学を卒業しても、仕事で成功しても、億万長者になっても、自分という存在が『そのままでは価値がない』の心理状態では、大学を出ても、仕事で成功しても、億万長者になっても、しばらくすると『そのままでは価値がない』に戻ってしまうのです。
★幸福を感じることも、人を幸せにすることもできません★
一生懸命努力をして、何かを手に入れ幸福を感じたいという目標の前に、まずは『自分が感じること』が必要です。
しかし、劣等感を患っている人は自分の存在を最初から否定しているので、自分が感じたいのに『そのままでは価値がない』という思いが邪魔をして、結局手に入れても満足することはできず、次、次、と新しい何かを求めてしまうのです。
そして、大好きな人を幸せにしたいと思っていても、『そのままでは価値がない』と劣等感を抱えたままでは、その人を幸せにすることはできません。
大好きな人なのだから否定なんてしないって考えると思いますが、実は否定しているのです。
お金をあげても、豪華なものをあげても、名誉をあげても、好きな人のために努力してる自分を見ているだけで、相手の気持ちを無視し、相手の存在にたいして無関心な状態なのです。これでは、相手を幸せにすることはできません。
★最後に★
『そのままでは価値がない』と観念をもったまま、努力をしてはいけません。絶対に幸せにはなれません。
重要なことは『そのままでも十分価値がある』という観念を無意識に感じるまで、浸透させることです。
また、『そのままでも十分価値がある』という心理は、自分の本当の欲求を浮き彫りにします。そして、相対的な評価から絶対的な評価に変わったとき、人は初めて自分にとって不幸になる行動ができなくなっていきます。
「そのままでも十分価値がある」という確信がもてれば、人は安心して「現実」にある問題に取りくんでいけるようになるのです。
誰も幸福にならない努力など、したくないはずです。
でも、現在は一生懸命努力をして、不幸せになっていく人がほとんどなのです。 そろそろ、こんな悲しい努力をやめないといけないときに人は立たされています。
「そのままでも十分価値がある」に理由などいりません。
その理由を求めていた存在は、何かしらの意図をもっていたために『そのままでは価値がない』とあなたに教えただけです。
「誰が何ていおうと、私は存在しているだけで価値がある」。 その観念と自分に自信をもって生きていけば良いのです。
酷い劣等感をもたされてしまったがゆえに、努力が報われず苦しい思いをしている方々が、少しでも早く解放され、快活な人生が歩めますように祈りをこめて。
ご覧頂きありがとうございます
本橋良太