本橋良太です
哲学シリーズ 家庭問題 主に親子や夫婦の関係について、簡潔にまとめました
『お金がない』は経済状態をあらわしている言葉です。
しかし、『貧乏』は定められた運命のような意識をふくむ言葉です。
前者は努力により変化ができても、後者は生まれながらにして奴隷人生と決まっているかのような負の雰囲気があります。
- 貧乏だから高いものが買えない。
- 貧乏だから仕方がない。
- 貧乏だから逆らえない。
- 貧乏だから諦めるしかない。
貧乏という言葉は非常に便利です。
貧乏といわれたら、存在を断定されているようで反論できない。逆に、「貧乏で何も持っていないのだから」と、奉仕する必要がないと反論ができるのです。
権利の放棄と義務の放棄のもろ刃の剣として、『貧乏』という言葉はよく利用されています。
★家庭内で『貧乏』と安易に言ってはいけない★
もし、親が家庭を倹約的にしたいのであれば、貧乏という言葉を使わずに堂々と経済状態を子どもに伝えればよいのです。「限りある資金を無駄遣いする行いは、とても愚かで恥ずかしいこと」だと。
「家は貧乏なんだ」と子どもに高らかに宣言する親は、不誠実に子どもをコントロールしたいという欲求を果たそうとする点に、経済的余裕がない状況とは違う別の家庭問題がひそんでいるのです。
『貧乏』という劣等感を子どもに洗脳すれば、「親の常識をこえて自分を表現したい」という力を抑制することができ、従順にさせやすいからです。
自分に自信がない親は、子どもの力を奪うことで家庭の均衡を保とうする、悪い習慣があるからなのです。
また、親自身が不幸から抜けだせない現実にたいして、『貧乏』という言葉をつかえば「現状を克服する力を発揮しなくても良い」という免罪符にしている場合もあります。
『貧乏』という言葉には家庭問題の現実を、「今は直視しなくても良い」という麻薬的な作用があるため、自信のない親が安易につかってしまうのです。しかし、現実的な問題を先送りしつづけていれば、いつか家庭に利息をつけた悲劇【家庭崩壊】が待っていることは、いうまでもありません。
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